「中国でネットを自由に使うにはVPNが必要だと言われるが、VPNとはなんぞや?」
私は中国に来るまでVPNについて全く知らなかった。
だが確かに中国でネットを使うにはVPNなしでは何もできないということを悟るようになった。なのでVPNについて勉強してみた。
VPNとはなんぞや
そもそもVPNとは何か?
VPNは略称で、元はVirtual Private Network(バーチャール・プライベート・ネットワーク)と呼ばれている。頭文字をとって「VPN」である。
VPNは中国でなぜ必要か
では中国でVPNはなぜ必要なのだろうか。
それは中国では自由にネットが使えないからだ。原因は、中国政府によってネットの規制、つまりインターネットの接続制限がなされているからである。
「金盾」Great Firewall(グレート・ファイアウォール)と呼ばれるネットワーク世界の壁により、中国国内サーバーからの特定のWebサイトやサービスのアクセスが制限されている。また検索情報やメッセージアプリも検閲されている。
VPNは「金盾」の壁に仮想のトンネルを作り、国外のサーバーにつなぎ国外サーバーから、目当てのサイトやサービスに繋ぐことができる。
ものすごく簡単に説明すると、上記のような感じである。
つまり中国でVPNを使わなければ、Google系(YouTube・Gmailなど)・Instagram・Twitter・Facebook・Yahoo!検索・LINEなどのメッセージアプリを使うことができない。(2019年9月現在)
VPNを使うとそれらのサイトに自由に接続できるようになる。
本来VPNはセキュリティ対策
VPNという単語を初めて聞く人もいるかもしれないが、危険性はないのだろうか?
覚えておきたいのが、本来VPNはセキュリティ対策の1つであるということだ。
Virtual Private Network(バーチャル プライベート ネットワーク)という名前にも示されているように、本来はオープンネットワーク内であっても専用回線のようにトンネルを作り接続できるのだ。
例えば、カフェや空港でフリーWi-Fiを使う場合、VPNを使うことが勧められている。なぜならフリーWi-Fiのセキュリティはほぼ無いからだ。ネットワーク内で全裸状態という訳だ。
公衆無線LANは、スマートフォンの毎月のデータ通信量を節約した上で高速通信ができるため利便性が高く、携帯電話事業者や喫茶店などは無料で提供している。
ただ、パスワードを入力しなくても利用できる、暗号化されていない公衆無線LANのアクセスポイントでは、クレジットカードなどの重要な情報をやり取りすると、悪意のある第三者から情報を盗み取られる可能性もある。また、パソコンやスマホが不正アクセスされ、身に覚えのないサイバー攻撃に利用される恐れもある。
出典:SankeiBiz
その時にVPNを使うなら、服を着て自分専用の回線を使ってネットを見ることができる。つまり本来VPNは、インターネットセキュリティの1つなのだ。
VPNは高速道路のよう
VPNは、高速道路を思い浮かべてもらうと分かりやすい。
高速道路はちゃんとした入り口から、お金を払って走行できる。
日本の高速では安全対策が施されており、急に人が飛び出すことはなく安全走行が可能だ。
高速道路の管理者は、人がどのインターから入ってどこから出たかという個人情報を知ることが可能。
では、なぜあなたは高速道路を安全に走行できるのか?
なぜ個人情報が正しく扱われていると言えるのか?
それは管理会社(国土交通省のもとネクスコが管理)がはっきりしており、個人情報の管理に関しても信頼しているからだろう。
VPNはどうか?
VPNもネット世界の専門道路で、サイト登録やアプリDLなど、ちゃんとした入り口がある。
VPNという専門道路の質や安全対策は、VPNサーバの管理者によって異なる。
サーバの管理者はどのサイトを訪問したか等の情報を知ることが可能。
ネット世界の専門道路(VPN)の安全性や信頼性に関してはどうか?
あなたはその専門道路を安心して使えるだろうか?
日本の場合、高速道路の管理者は1つだが、VPNに関しては有料・無料を問わず、VPNの数だけ管理者が存在する。それら全てが信用に値するわけがない。
VPNには2種類ある
ここからはVPNを使う上で覚えなくても良い情報だ。
VPNは2種類ある。インターネットVPNとIP-VPNである。
インターネットVPNは、インターネット回線を通して離れた場所の拠点を接続するVPNのことである。不特定多数のユーザーが利用することができるため、IP-VPNほどの秘匿性はないが暗号化によって情報を守る。
IP-VPNは、インターネット回線とは別のIP網を使い接続するVPNのことである。閉域VPNとも呼ばれる。主に企業が、自分の企業のみで使うネットワークのことである。接続できるのはその会社のみなので、抜群のセキュリティーを誇る。
中国で使うVPNの多くは、インターネットVPNである。
VPNの接続プロトコルの違い
さらにVPNは接続の際プロトコルに違いがある。主だったものは下記である。
- PPTP
- L2TP
- OpenVPN
- IKEv2
- OpenConnect
プロトコルとは、コンピューター同士が通信を行うときの「手順」や「規約」といった約束事の総称である。簡単にいうとコンピューター間での言語のようなもの。情報の暗号化もこのプロトコルの中に含まれている。
選ぶプロトコルによって、セキュリティーレベル、接続速度、安定感に差がでる。
VPNを選ぶならプロトコルの種類を確認しよう
中国でVPNを使うなら、VPNプロトコルが多いVPN会社を選んだ方が良いだろう。
中国政府は、”あるプロトコル”をターゲットにして規制をかけることがある。
例えば、あるVPNの会社が「PPTP」のプロトコルを使用して接続できるVPNサービスを提供しているとしよう。だが中国政府が「PPTP」のプロトコルを制限すると、その会社のVPNサービスは使用不可になる。
規制がかかった時にも、多くのプロトコルに対応しているVPNサービス会社なら、すぐに設定を変更し使用可能だ。
私は以前、業界最安をうたっているVPNを使っていたが、規制がかかり彼らのプロトコルでは全く使えなくなった。その会社もすぐに対応したが、使えるようになったのは10日後であった。私はその時にはすでに新しいVPNサービスと契約していた。
その時に新たに契約し、いまも使っているVPNサービスはセカイVPNだ。
上記に記したプロトコルの種類もセカイVPNのものだ。ジャパンクオリティーで、安定感では業界一と言っても良いだろう。
最後に
簡単にいうとVPNは、専用回線のようにネットを繋ぐことである。セキュリティーレベルも上がり、自由にネットを楽しむこともできる。
中国でインターネットを使うなら、VPNの使用を強くオススメする。
もし中国でVPNを使わないなら、あなたは多大なストレスを感じることになるだろう。
コメント
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