中国のグレート・ファイアウォール(金盾)とは|なぜVPNが必要?

中国でGmailやLINEを自由に使えない原因は?

それは「金盾工程」という中国全土を網羅するインターネット上の情報検閲システムだ。

Great Firewall(グレート・ファイアウォール)とも呼ばれており、中国共産党や政府にとって不都合な情報にアクセス出来ないように接続制限をかけている。

では金盾とは何か?具体的に中国の「金盾プロジェクト」の検閲はどのように行われているのか?今後どうなるのか調査してみた。

中国でVPNを必須アイテムにしている金盾についてまとめた。

金盾プロジェクトとは

金盾プロジェクトは、1993年に中国政府が立てた12の分野での国家戦略の1つである。主に金融に関する情報・電子化に関するもので、金の頭文字がつく12の施策の内の1つが「金盾」というわけである。

当初は、公安の情報化を行なっていたが、後に個人情報の管理や監視、政府が決める有害サイトの制限を開始した。

さらに金盾プロジェクトの一部として、ネットの自由を奪うGreat Firewall(グレート・ファイアウォール)がある。ネット上の政府にとって有害な情報へのアクセス制限や個人情報の監視を行なっている。

中国でネット検閲の影響

では中国でのインターネット検閲の影響はどれほどのものなのか。

グレートファイアウォール(GFW)は、外国のウェブサイト、アプリ、ソーシャルメディア、VPN、電子メール、インスタントメッセージ、または当局による不適切または不快とみなされるその他のオンラインリソースをブロックする。

これは、暴力やポルノ描写などの内容から、民主主義を促進する政治的な資料、あるいは与党の共産党をあまり明るく描写しない資料にまで及ぶ。

中国の法律や規制に従うことに同意しない限り、海外のソーシャルメディア(Facebook、Twitter)、ユーザー生成コンテンツサイト(Youtube)、およびツール(Gmail)はブロックされている。

キーワードのフィルタリング、IPアドレスブラックリスト、DNS、手動施行などのコンテンツを検閲するために、政府の運営するインターネットサービスプロバイダと国内のインターネット企業が組み合わせて使用​​している。(下記見出し参照)

中国の「サイバー主権」の確保、外国の影響から国のインターネットを守ったりすることは、習近平の主張している目標の1つだ。

2017年秋の中国共産党大会からは、オンラインの自由を制限するため、ソーシャルメディアを匿名で投稿する機能を排除し、アプリストアの所有者が購入をどのように利用しているかを管理を要求している。 党大会後の11月には、メッセンジャーアプリWhatsAppが使えなくなるなど影響が強まっている。

中国の規制対象サイト

中国の「金盾」によって規制対象となり、私たちに直接影響が出ているサイト・サービスをまとめてみた。2018年2月現在

・検索系

Google検索

Yahoo!検索

・Google系

Gmail

Googleハングアウト

Googleマップ(2018年1月に解禁のニュースが流れたが2月使用不可)

YouTube

・SNS系

Facebook

Twitter

Instagram

・動画配信系

FC2

ニコニコ動画

・メッセンジャーApp

LINE

WhatsApp

wire

・クラウド系

Dropbox

・ゲーム

Pokémon GO

・アダルト系

上記にあげたものは、中国国内でアクセス規制されており、事実上中国国内で使用不可だ。なお、ここに列挙したもの以外にも、多くが規制対象となっている。

これら以外のサイトやサービスは使用可能だが、「金盾プロジェクト」によって検閲がなされている。一部の情報では200万人のインターネットポリスが動員されているとあり、情報の統制・削除に加え、インスタントメッセージの検閲・個人の特定がなされている。

例えば、bing・百度(バイドゥ)などの検索エンジンで「天安門事件 真実」などと検索すると監視対象入るだろう。最悪、ネット回線を遮断される。また、メッセンジャーApp(微信ウィーチャット・QQなど)で政府に対する悪口や、習近平の評判を下げることを書くと、あっという間にブラックリスト入りだ。

ちなみに中国のネット上では、一部海外ブロガーが習近平に似ているとして侮辱的に使った「くまのプーさん」が規制されている。

さらに、現在使えている物の中にも急に規制対象に入れられるサイトもある。

金盾(グレート・ファイアウォール)の仕組み

これまでグレートファイアウォールがどのような仕組みとなっているのか詳しくはわからなかったが、BackgroundCheck.orgがファイアウォールがどのように機能しているかを説明してくれている。

1 DNSによるアクセス制御

DNSの段階でのブロックだ。

ブラウザでURLを打ち込むとDNS(ドメインネームシステム)が対象のIPアドレス(ネット上の住所)に問い合わせをする。このURLが「GFW」によってブロック対象になっていた場合、DNSは「IPアドレスなし」と応答を返す。

それでユーザーはアクセス不可となる。

2 接続フェーズを監視

DNSのチェックを躱せたとしても、IPアドレスが規制対象になっていた場合、アクセスが遮断される。

3 検索キーワードをブロック

URLが規制対象になっていなくても、ページに特定のキーワードが含まれているならアクセスが遮断される。

政府に対する不信感を煽るようなキーワードはその対象となる。

4 サイトページをスキャン

定期的に各サイトのページをスキャンして、中国国内からアクセスしても不都合がないかを監視している。

今後中国のネット規制はどうなるか

今後の中国のネット規制はどうなっていくのだろうか。海外の考察サイトによると以下の通りである。

近年、中国の規制当局が管理できるよりも速くオンラインメディアが爆発したことによって中国国内での検閲が追いつかなくなっている。規制当局は後手に回っていると言える。なぜなら、不適切なものの定義が、これまでのものをはるかに超えて拡大したからだ。中国は今や破壊的な政治コンテンツだけでなく、ポルノ、映画のレビュー、LGBTQのコンテンツ、西洋の価値観や贅沢、一般的な有名人のゴシップを検閲せざるを得なくなっている。

さらに中国のネット規制は、中国のビジネス革新を妨げているとも言えるが、習近平の掲げている「夢」を実現するためには、さらなる規制強化と外国文化の流入の阻止は避けられないだろう。

ということは、今後さらに規制強化が考えられるということだ。

中国国内でネットを自由に使いたいなら引き続きVPNの使用が必須だが、中国当局は一部のVPNサービスの規制にも乗り出している。

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最後に

「金盾」というインターネット上の情報検閲システムによって、中国ではネットの自由がない。

だが日本人の私たちとしては、ただ検索が使えたり、GmailやLINEを使って連絡を取りたいだけだ。そのためだけに、VPNを使わなければいけないのは割りに合わない気もする。

やっぱり「金盾」は、厄介者だ。

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