中国に留学、出張、赴任で来る場合、必ず考えなければいけない問題がある。
それは「VPNを使うかどうか」。実際、中国にいる多くの人はVPNを使っている。
だが、あなたは本当に中国でVPNが必要だろうか。
今回は、VPNが必需品になる人と、中国でVPNがなくても生活できる条件を考察した。
VPNとは
はじめにVPNとは何か簡単に説明する。
VPNは略称で、元はVirtual Private Network(バーチャール・プライベート・ネットワーク)と呼ばれている。頭文字をとって「VPN」である。
インターネット上に、あたかも自分専用のネット回線を作る接続方式のことである。
ではなぜ中国でVPN接続を使う人が多いのか?
中国のネット規制
中国では政府によるネット規制が行われているからだ。
中国政府が行なっている「金盾プロジェクト」のひとつで、別名「グレートファイヤーウォール(GFW)」と呼ばれている。インターネット上に壁を作りインターネットを自由に閲覧できないようにしている。
GFWの影響で、具体的に中国では下記のサイト・サービスへの接続が制限されている。
- LINE
- Googleマップ等、全てのGoogle系
- Gmail
- Dropbox
- youtube
- ヤフー検索
ほかにも細かく紹介するときりがないが、覚えておきたいのは日本と同じようにインターネットを使うことができないという現実だ。その為、中国に来る多くの外国人はVPN接続を使っている。
ネット規制を敷いている国は他にもあるが、ここまで厳しいのは世界的に見ても極めて稀だ。
ちなみに、GFWの影響ではないが海外では日本の動画配信サービスは利用できない。
VPN接続を使ってできること
ではVPNを使って何ができるのか?
簡単にいうと、中国でも日本と同じようにインターネットを使うことができる。正直これ以上の説明はできない。中国で政府のネット規制を受けないのだ。
具体的に説明する。
例えば、
- 日本国内からGoogleに接続する場合
自分のパソコン→インターネット→Googleのサーバ(パソコン)
という順番で繋がり、情報を取って(上り通信)、同じ順番で帰って来て(下り通信)自分のパソコンでGoogleのサイトを閲覧できる。
- 中国国内からGoogleに接続する場合
自分のパソコン→GWF→インターネット→Googleのサーバ(パソコン)
という順番で繋がり、情報を取って帰って来ようとするが、途中で「中国のネット規制という壁」に阻まれてパソコンでみることができない。
VPNは、「中国のネット規制という壁」に仮想的にトンネルを作り、データのやりとりを行なえるようにする。
セキュリティー対策
さらにセキュリティー対策としても活用できる。
そもそもVPNサービスはインターネットセキュリティー対策として登場した。他のインターネットユーザーに情報を奪われないために、あたかも専門回線のようにしてインターネットを使う。
特に国内でも海外でも、無料のWi-Fiを使う場合VPNは必須と言えるだろう。
フリーWi-Fiにつなぐ時「セキュリティーに関する警告」が出てくるWi-Fiがあるが、その場合い自分の端末内の情報を奪われないためにVPNを使い情報を隠すことができる。
どんな人が中国でVPNを使うのか
ではどんな人が中国でVPN接続を使うのか?
それは中国でも日本と同じようにインターネットを使いたい人だ。
例えば、中国国内でもG-mailを使いたい場合VPNは必須だ。
ほかにも、Yahoo!検索を使いたい人や、LINEを使いたい人。気晴らしにYouTubeを見たい人などは必須だと言えるだろう。中国でブログをしたい人や、パソコンを使って仕事をしている人も必須だと言える。
ちなみに、中国国内にオフィスがあり、海外の支社や本社、顧客と連絡をとる必要のある会社はどこもVPNを使っている。
正直、中国での生活は情報が命だ。言語に関しても、物を買うにしても、移動に関しても、インターネットがなければ(使えなければ)生きていけない。
つまり外国人が中国国内で生活する場合、VPNがなければ大変不便である。
中国で自由にネットを使いたいならVPNを使う必要がある。1ヶ月1,000円ほどの出費になるが1,000円以上のメリットがある。
では、どこのVPNが良いか?個人的にはセカイVPNかExpressVPNをおすすめしたい。
ただ、同じVPNだからといって無料のVPNサービスを使うのだけはおすすめしない。
どんな人にVPNは不要か
ではどんな人は中国でVPNを使わなくても良いか?
まずインターネットを多用しない人は不要である。例えば、インターネットを飛行機のチケット購入でしか使わないとか、日本との連絡もほとんどしないという人など。
ほかには、中国で使える代替サービスを受け入れられる人である。
例えば、GoogleとYahoo!の検索は使えないが、bing検索は使用可能。LINEは使えないが、wechatは使用可能。YouTubeは使えないが、youkuは使える。Gmailは使えないが、Yahoo!メールは使用可能だ。
つまり日本と同じようにインターネットを使わなくても問題ない人なら、VPNが無くてもやっていけるだろう。
VPNが有るこんなこともできる事
ちなみにVPN接続を行なうと、下記のような日本のサービスに中国にいながらアクセスすることができる。
- Netflix
- DAZN
- Hulu
- AbemaTV
- WOWOWオンデマンド
- JCOMオンデマンド
- ShowTime
- 楽天TV
- スカパーオンデマンド
- radiko
インターリンクのマイIPを使うと、これらのサービスを使える。
日本の有名VPNサービスセカイVPNを運営している会社が提供しているサービスだ。ちなみにセカイVPNでは上記のサービスに接続することができないのでご注意を。
下記に詳細情報を載せておく。
マイIP
セカイVPNと同じ、インターリンクが運営しているVPNサービス。
違いは、固定のIPアドレスを契約することができる。固定IPとは、いつも決まったサーバを通してネットワーク接続が可能なサービスだ。中国にいても日本のIPアドレスに接続できる。安定してネット接続が可能だ。
日本の動画サービスにアクセスできるのが売り。
接続方法(プロトコル) | PPTP・L2TP・PSK/SSTP・OpenVPN |
IPアドレス | 固有IPアドレス |
接続できる国(サーバ場所) | 日本・アメリカ・ドイツ・台湾・韓国 |
対応OS | Windows ・ Mac・iOS・ Android・Linux・FreeBSD |
同時に接続できる端末数 | 1台 |
料金 | 1,080円/月 |
無料お試し期間 | 2ヶ月 |
最後に:中国でVPNは必須
個人的には、中国でVPNは必須だと感じる。正直、中国に来てVPNの無かった時は、何をするにも不便だった。「知りたいことを検索できない」ことには結構なストレスを感じた。
「じゃあVPN無しでは中国で生活できないか」と聞かれると「人による」と答えるだろう。多くの不便を受け入れられる人はVPNがなくても生活できるだろう。
中国で自由にネットを使いたいならVPNを使う必要がある。1ヶ月1,000円ほどの出費になるが、1,000円以上のメリットがあるだろう。
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