UCSSを聞いたことがあるだろうか?中国住みなら一度は使うことを薦める。
中国でのインターネット規制を回避するため,たくさんの人が使っているVPNに似たサービスだ。知っている人は大抵,その安定性,接続のしやすさ,ネットが繋がる安心感をシェアしている。
ではなぜ中国国内でUCSSのVPNに似たサービスが人気なのか?そのデメリットとメリットを考えよう。
中国のUCSSとは?
UCSSとは韓国を拠点とし、多国籍の専門家が運用するShadowsocks専門のVPNサービスだ。厳密にはShadowsocksとVPNは違うのだが、結果としてはほぼ同じ、中国から見えないサイトにアクセスできる。
詳しく知りたい方は下記記事をご覧いただきたい。
「国籍の違う数人の仲間とともに、誠実な運営、サービスの最適化、安定したサービスの提供を軸に運営」という特殊なグループだが、接続の安定性、速度ともに最高級のサービスを提供している。
デメリットは値段の高さと通信量制限があることだが、中国でネットをストレスなく使えるなら納得の値段だ。
接続方法(プロトコル) | Shadowsocks /一部専用アプリあり |
IPアドレス | 共有IPアドレス |
接続できる国(サーバ場所) | 日本・韓国・台湾・米国・英国・シンガポール・ドイツ・カナダ |
対応OS | Windows・MacOS・iOS・Android・Linux・router・ |
同時に接続できる端末数 | 3台 |
料金 | 36$/3ヶ月 [50GB/月] |
無料お試し期間 | なし |
では,中国でUCSSを使うことのデメリットとメリットを記していく。
中国でUCSSを使うことの唯一のデメリット
さてここではUCSSの唯一のデメリットを記しておこう。
それは,値段である。上記にも記しているが「36$/3ヶ月」である。つまり一月に直すと12ドルとなる。12ドルを現在のレートで計算すると「1ヶ月1500円」ほど。(1ドル/約130円)
22年後期の円高がなければ,1ヶ月で1200円ほどとべらぼうに高い印象はなかった。しかしこれには条件がある,それが50GB/月のデータ通信量制限があることだ。下記表は月々のデータ通信量における値段の変動である。UCSSの実際の注文画面だ。
これがUCSSが避けられる唯一のデメリットなのだ。300GB/月の契約をすると月々約4000円の出費となる。これは日本国内でプロバイダー契約をする値段に匹敵するほど。
だが,それでも,多くの人が中国で長く住むとUCSSと契約することを選んでいる。
それはなぜか?ネットのストレスが無くなるからだ!
ここから中国でUCSSを使うことのメリットについて書いていこう。
中国でUCSSを使うことのメリット
さてここまでで,UCSSのあまりの値段の高さゆえに踵を返そうとしている人もいるだろう。しかし,少しの時間このメリットについて見ていただきたい。
中国でUCSSを使うことのメリット:安定感
まず挙げられるメリットの一つは「抜群の安定感」である。
中国に住んでいて感じることはないだろうか?
- 「VPNが繋がらない」
- 「インターネットが遅い」
- 「どれだけ待てばいいのか!」
どれもこれも中国で住んでいると感じるストレスの数々。帰国すると,インターネットなこんなにも快適で,生活のストレスになることなど決して無いことに驚くほどである。
上記のストレスが,UCSSを契約するだけで,ほぼ皆無となる。
「嘘を言え!」
「UCSSの回し者め!」
なんと言ってもらっても構わない。事実だけを伝えよう。
例えば,2020年年10月の国慶節の期間,大規模なネット規制が行われた。毎年のことで中国住みなら慣れている「ネットのつながりにくさ」だがUCSSはそれを難なく乗り切った。
2021年3月の全人代,2022年の党大会,いずれもインターネットの繋がりやすさで抜群の安定感を誇っている。
これは個人的な感想だが,使用したことがある人はこの安定感を否定しないだろう。中国で使える他のVPNサービスと比べても右に出るものが居ないのではと感じるほどだ。
中国でUCSSを使うことのメリット:通信速度
さらなるメリットとして,通信速度の速さも挙げられる。
VPNサービスと比べて異様に通信速度が速い。それはなぜか?
それはUCSSがVPNではなくプロキシサーバを使った通信だからである。
上の図では,通信のあいだにプロキシサーバを使っているが,ネット規制のある中国ではプロキシサーバを介した通信の方が早く優れている。
例えるなら,VPNは壁にトンネルを開けて通信するが,Shadowsocksは壁など関係なく通信を行なう。そのため,政府の検閲など関係ないし,壁が有るとかお構いなしだ。
プリズンブレイクで壁に穴を掘って脱出するのと,壁をハイジャンプで飛び越えるのどっちが早いと思う?って感じだ。
もちろん答えは後者である。ゆえに早い通信が行える。
中国でUCSSを使うことのメリット:規制されにくい
何よりも大きなメリットは中国のネット規制に合いにくいことだ。
中国には「金盾」というインターネット規制のシステムがある。
下記図にあるように,それに仮にも穴を開けて通信しようとしているのがVPNである。
自分が規制する側だとして考えていただきたい。自分の家の壁に穴が空いているとどうするか?すぐに塞ごうとするのではないだろうか。
ではUCSSではどうか?彼らが使っているのは「Shadowsocks」という通信プロトコルでVPNでは無い。下記の図をご覧いただきたい。
上記のShadowsocksの仕組みについての図にあるように,証拠が残らないように暗号化して,壁を飛び越えることをおこなっているのがShadowsocksである。
よって規制されにくい特徴がある。「規制されにくい」という表現を使ったのは,2020年9月にShadowsocksをターゲットにしたネット規制が行われたことがあったからだ。
しかし2015年にオープンソースで開発されたShadowsocksに手を加えつづけているUCSSはこれまで中国のインターネット規制を飄々とすり抜けてきている。
中国でUCSS|あなたにメリットは?
ここまで書いてきたが,信じなくてもいい。実際,高い買い物ということもできるし,あなたにとってそこまでメリットを感じないかもしれない。
でも考えていただきたい。
日本国内で,インターネット契約を月々5000円ほど支払って行ったとする。それで使えたり,使えなかったり,つながったり繋がらなかったりすれば,あなたはどう感じるだろうか?
それだけのお金を要求しておいて,なんだこのサービスは!と感じるのでは無いか?
私は中国でこれだけ住んできて,UCSSに対してそのように感じたことは一度もない。
中国住みなら一度は使うことを薦める。
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